アメリカ金属鉱業専門誌:Metals & Mining Review 2024金属形成企業トップ受賞!!
アメリカ金属鉱業専門誌:Metals & Mining Review 2024金属形成企業トップ受賞!! 国内2例目の快挙!!
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Metals & Mining Review: Business and Technology Magazine (metalsminingreview.com)
記事の日本語訳
末武工業所 ― 金属鍛造の名人
金属成形の進化は人間の創造力の証である。銅が石槌の力に屈するという原始の頃とは対照的
に、現在では業界は最先端の技術によって支えられている。現代の鍛冶職人たちは、イノベーション
を讃える物語を紡ぎながら、強力な技術を用いて次世代の生産能力を開発し続けている。
金属成形における製造の完璧さを達成するためにイノベーションを活用する評判を持つ末武工業
所は、日本の業界基準を定義し、卓越性の新たな基準を打ち立てている。ファイバーレーザーテクノ
ロジーの力を活用し、さまざまな産業の特定のプロジェクトに最適なソリューションを提供してい
る。同社は技術革新、顧客中心のアプローチ、戦略的マネジメントを融合させて、カスタムデザイン
と高度な金属加工技術を開発しているのだ。
細部への入念な配慮に根ざして
同社は 1955 年に誕生した。その前身が、日本の周南市にある日新製鋼の周南製鋼所内で歩道を
舗装することを依頼されたのだ。ブロックの敷設、固定、仕上げにおける卓越した精度を高く評価
され、末武工業所は勤勉な作業、安全規定の順守、細部への配慮を重視するパートナーとしての評
判を築き上げた。
やがて、同社の業務は、機械の設置や配管インフラの実装といった、スチール製造工程の中核をな
す、より多様な役割に拡大する。同社はまた、インゴットケースの修理、連続鍛造装置の監督、電気
炉のメンテナンスなどの業務を任される。このプロジェクトは末武工業所にとって形勢を一変させ
るものとなり、同社は金属鍛造工程をサポートし、金属加工メーカーとして付加価値をもたらす機
会を開拓した。
時が経ち、ステンレス鋼や金属関連サービスの需要が高まるにつれて、同社は業界でのニッチを切
り開いた。この金属加工への参入は、会社の軌道を変え、その目的を再定義した。同社はルーツへ
の感謝の気持ちを保ちながら、現在は日鉄ステンレス株式会社の所有で、日本屈指のステンレス鋼
製造施設の 1 つに進化した周南市の工場を定期的にメンテナンスしている。
末武工業所の旅は、回復力、適応力、思いがけない機会がもたらす変革力についての感動的な物語
である。
日本の金属業界のリーダーである株式会社メタルワンの上級のパートナーリストである「メタルワン
クラブ」及び「ステンレス流通協会連合会」の誇り高いメンバーである末武工業所は、パートナーやク
ライアントから比類なき信頼を得ている。同社は、メタルワンと流通業者の組合の圧倒的な競争力
を活用して、顧客が優れた品質の製品を受け取ることを確実にしている。
製造効率を開拓する
「当社のアプローチの基本は顧客への強いコミットメントです。いかなるプロジェクトにおいても、要
件の変更や特別な要望に柔軟かつ迅速に対応し、すべてのソリューションが顧客の直面する独自の
課題と正確に一致するようにしています」と代表取締役社長の金近右太氏は述べる。
ファイバー溶接機は、末武工業所の高度な金属加工能力の際立つ特徴である。溶接工程で発生する
熱の影響を最小限に抑えるために戦略的に使用され、この技術は顧客が要求する厳密な精度要件
を満たし、歪み補正に必要な時間を短縮するという2つの結果をもたらす。
同社はまた、製造工程の重要なポイントを記録するために画像キャプチャを使用している。これによ
り、工程の最適化が実現し、納期とコスト効率が向上し、顧客の品質と効率への期待を上回ってい
る。金属鍛造におけるデータ主導型アプローチは、整備ラインの配置の継続的な改善を促進し、生
産サイクルを包括的に合理化している。
製造技術を補完するために、末武工業所は在庫管理でも優れている。過去の販売データや市場動
向を分析することで、需要を正確に予測し、最適な在庫レベルを把握している。この積極的なアプロ
ーチにより、不足や在庫過剰を防ぎ、スムーズで効率的な生産フローを確保している。
持続的な改善による顧客の成功の創造
末武工業所は、試作品での繰り返しテストと改良の仕組によって、欠陥の特定と持続的な改善を目
指し、新技術開発の成功の可能性を高めている。
最近、同社は連続鋳造ラインを持つクライアント向けにロール軸受箱の製造を担当した。ステンレス
鋼のより大きい膨張と硬度を考慮して、形状の変化を予測しながら、同社は仕様に完璧に合ったケ
ースの開発を行った。ステンレス鋼は軟鋼の約 1.4 倍の硬度があるが、正確な長穴加工(軸の両側
から中心に向かって穴を開ける)を行い、全てのベアリングが生産サイクル全体で効果的に潤滑さ
れるようにした。また、末武工業所はクライアントと詳細な協議と試作の繰り返しを行った後に、こ
れらの条件と複雑な鋳造仕様に最適な設計と工程を最終決定している。
最終的に、同社のイノベーションと高精度な技術が複雑な加工の途切れない実行を可能にし、最終
製品が厳格な品質基準を満たすことを保証した。この取組の結実が示すのは、連続鋳造装置で必要
とされる高精度な技術における末武工業所の卓越した専門知識である。
社会的責任と従業員の幸福への焦点
同社の成功の中心にあるのは、従業員の幸福と成長を最重要視する価値観と行動規範である。こ
の理念の中心にあるのは、安全、健康、ハラスメント防止、メンタルヘルスである。これらの柱は、持
続可能性と社会的責任への同社の義務を反映している。
有能な技術者の育成が同社の成長にかかっていることを認識し、末武工業所は魅力的なプロジェ
クトを通じて教育と実践的な技能開発の機会を積極的に提供している。経験豊富な上司がメンター
としての役割を果たし、貴重な知識と経験を共有して、継続的な学びを促進し、将来の専門家を育
成している。
「従業員が積極的に解決策を出し合い、改善案を提案するような協力の文化を奨励しています。こ
の協力の精神は、基本的なメカニズムを再評価し、革新的な概念を設計するきっかけとなります」と
金近氏は述べる。
このような文化に加えて、末武工業所は安全で開放的な職場環境を促進している。従業員の健康と
幸福を促進するための措置として、ハラスメント防止対策の一環で従業員は無料で弁護士に相談で
きる。
メンタルヘルスも、もう一つの重要な側面である。同社は専門のカウンセラーとの無料の 24 時間
電話相談へのアクセスを提供する包括的なメンタルヘルスケア対策を実施している。これにより、従
業員が適時なサポートと援助を受けて問題を軽減できるようにしている。
これを後押しするのは、予期せぬ医療事態に対処するために開発された医療費補償制度である。こ
の制度では、入院や高度な医療治療に対して最大で 50 万円(約 3,300 ドル)、がん治療について
は最大で 500 万円(約 33,000 ドル)までの補償が行われる。同社はまた、専門の看護師を毎月
招聘し、従業員に個別の健康アドバイスを提供している。
末武工業所の健康管理への献身は、国内かつ業界で広く認められている。2023 年には、日本全
体で 14,012 社の優良企業から選ばれた「健康経営優良法人ブライト500」に認定されている。こ
れは、従業員の健康促進、ポジティブな労働環境の育成、従業員全体の幸福に有意義な貢献をする
同社の積極的な役割の証である。
また、同社は持続可能性を促進し、環境保護に貢献している。その優れた例は、工場全体での省エ
ネ対策の実施で、ファイバーレーザーテクノロジー、工場やオフィスでの LED 照明、高効率の断熱
材が挙げられる。エネルギー効率の高い、環境に配慮した施設の創造により、同社は製造、輸送、製
品廃棄において持続可能な慣行を採用している。
伝統と最先端のイノベーションを融合
伝統と文化の美しさを祝う精神で、末武工業所は 2024 年 6 月に独特な事業に乗り出す計画で
ある。すわなち、焚火台の制作販売である。古代の葦手絵、すなわち、自然物を思わせる文字が特徴
である日本の装飾的な書体からインスピレーションを得たものである。これらの台は、日本の文化
遺産を現代のデザインと融合させる同社の熱意の好例である。
最先端のファイバーレーザー加工機を活用し、末武工業所は葦手模様の複雑さを秒単位で比類の
ない精度で再現している。季節の花、風景、神話的要素を途切れなく組み込んだ切り抜きで飾られ
たこの台は、光と影の詩的な相互作用を生み、炎が魅惑的な視覚効果をもたらすように設計されて
いる。
伝統を没入体験と組み合わせることで、焚火台は末武工業所の職人精神と文化的豊かさへの献身
を典型的に表している。炎が葦手模様と調和する際に、象徴されるのは末武工業所がプロジェクト
に注入する永遠の美しさである。同社は将来を見据え、金属成形に対する前向きで技術主導のアプ
ローチを通じて日本の文化に対する深い理解を育みながら、信頼できる製造業者であり続けるこ
とを計画している。
【(株)末武工業所】2024年03月06日 表紙記事の日本語訳 Suetake Industrial Cover PDF