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2025.12.01お知らせ

米ビジネス専門誌「The Enterprise World」The Most Influential Metals and Mining Tech Leader to Watch 2025受賞

米ビジネス専門誌「The Enterprise World」The Most Influential Metals and Mining Tech Leader to Watch 2025を受賞しました。

The Most Influential Metals and Mining Tech Leader to Watch | The Enterprise World

記事の日本語訳

金近右太:芸術、技術、伝統を融合させ、製造業の未来を創造する

ビジネスの成功は、明確な目的意識、揺るぎない献身、そしてチームを困難の中で導きつつ新しい機会をつかむ能力から生まれる。優れたリーダーは組織の未来を形作るために、確立された方法に敬意を払うと同時に、新しいアイデアを受容しながら、周囲の人々を刺激し、卓越性と継続的な改善の追求へと導く。

末武工業所の代表取締役社長である金近右太は、このリーダーシップの手法の模範である。2020年に社長に就任して以来、熟練技術者の育成、ファイバーレーザー加工など先進技術の導入、設備の更新に注力し、末武工業所をステンレス製造のリーダーとして維持している。彼のビジョンと取り組みにより、同社は持続可能な成長と世界規模でのイノベーションに向けた基盤を築いている。

会社概要

人物:金近右太(代表取締役社長)
会社名:株式会社 末武工業所
本社所在地:山口県周南市野村
会社URL:https://suetake.co.jp/en/

経験と試練を通じたリーダーシップの構築

金近は金属や製造技術との関わりを教室で学んだわけではなく、工場の現場で育んできた。幼少期から溶接の火花、鉄を加工する音、そして会社を支える職人たちの献身に囲まれて育った。これらの初期の体験は、金属への興味をかき立てると同時に、原材料を価値ある不可欠な製品に変える職人技への深い敬意を与えた。

2020年4月、44歳で金近は末武工業所の社長に就任したが、ちょうど世界的なパンデミックが広がる時期であった。本来なら新たな挑戦に胸を躍らせるべき時期であったが、すぐに「火の試練」となった。サプライチェーンは混乱し、受注は減少し、不透明な未来が訪れた。同時に、従業員とその家族の健康と生活を守る責任の重さがのしかかった。この経験を通じ、真のリーダーシップは単なる数字や効率だけでなく、透明性、信頼、そして人を第一に考える勇気にあることを学んだ。

ステンレス製造における卓越性の追求

株式会社 末武工業所は精密ステンレス部品の製造を専門とする日本企業である。職人技と革新を追求し、先進的なファイバーレーザー技術と伝統的な製造技術を融合させることで、高品質でカスタム設計された製品を提供している。同社は継続的改善と熟練技術者の育成に注力し、多様な業界の世界中の顧客ニーズに応えている。末武工業所は、持続可能で責任あるビジネス慣行を維持しながら、信頼できるソリューションを提供することに注力している。

末武工業所:製品・サービス概要

・鉄鋼構造物建築工事
・各種製缶及び鉄槽の製作据付工事
・各種機械設備の整備、補修並びに据付工事
・油圧機器配管及び各種配管工事
・連続鋳造設備認定修理工事
・ステンレス及び各種特殊金属加工販売
・電気工事業

遊び心ある革新の文化

多くの企業が効率化やコスト削減に注力するのに対して、末武工業所は創造性と献身を融合させた独自の開発精神で際立っている。社員のアイデアや創造性を尊重し、試作品を完全な製品に仕上げる取り組みを奨励している。この手法により、「遊び心から生まれる技術革新」という文化を育み、業界内で独自性を発揮している。

芸術的革新と文化の調和

2025年11月、末武工業所は日本の豊かな文化精神と洗練された美を融合させた独自の焚火台を発表する。「循環する光と影の調和」と命名されたこの作品は単なる焚火台ではない。精密金属加工で培った70年以上の技術と、光と影で物語を表現する切り紙作家であるatsuomi nakamuraの創造的ビジョンが融合した成果である。

炎が灯ると、竜に命が宿り、炎の中で絡み合い、舞う。影が揺れ、光が流れ、混沌と調和の美が現れる。曲線や精密な切り抜きは、創造、破壊、再生を象徴し、自然の終わりなき循環を映し出している。「これはキャンプの道具ではありません。アートと技術、過去と未来、人の手と炎の魂が語り合う装置です」と金近は語る。

デザインと象徴性

円筒形の焚火台は、日本の職人技と自然の象徴性を融合させたものである。金近はこれを、精密金属加工とatsuomi nakamuraによる芸術的デザインを統合した創造物と説明する。機能性と芸術性を組み合わせて、アウトドア体験を豊かにし、日本の職人技の本質を世界に向けて表現している。

作品名「循環する光と影の調和」は深い意味を持つ。「月と太陽の対比により、太陽のエネルギーが際立ち、静けさと力強さが響き合います。月の影響を受ける海は、ときには穏やかに、時には激しく揺れ動き、見えない力が巡り続ける様子を表現しました。日本では、うさぎは月と深く結びついた存在です。その多産な性質から豊穣の象徴とされ、月の満ち欠けに重ねられることで再生の象徴とも考えられています。作品には、二兎のうさぎが月と海を挟んで出会い、穏やかに向き合う姿を描き足しました。対話を通して陰と陽の調和を表現していると思っていただければ幸いです」と金近は説明する。「太陽が放つ光は、すべての生命をつなぎます。月は、静けさと穏やかなエネルギーを象徴します。光と影、動と静、太陽と月、双龍と二兎。すべてが共存しています」と付け加える。この永遠の調和を焚火台の炎の中で感じてもらいたいと金近は願っている。

創造性と文化を通じたグローバル展開

多くの地域の板金企業は国内需要に依存する。対照的に、末武工業所はデザインと文化的価値を兼ね備えた金属製品を国際市場に提供している。雑誌掲載や越境ECなどの取り組みに積極的に参加し、精密加工を基盤に創造性と文化価値を融合させ、世界に通用する金属ソリューションを提供している。

持続可能で安全な製造の継承

末武工業所は創業70周年を迎え、業界での卓越性を誇る。「仕事・遊び・本気」という企業文化に基づき、持続可能性と安全性を両立させた製造を行っている。耐久性に優れ、リサイクル可能な金属製品を作り、廃棄物削減に貢献する。また、厳格な「安全・健康・ハラスメント防止」の取り組みにより、職場での労災ゼロを目指している。さらに、デジタル制御による高精度加工技術を導入し効率を高めている。

これらの取り組みは、以下のような数々の賞で評価されている:

・経済産業省「健康経営優良法人」3年連続認定
・山口県知事表彰「健康経営優良法人・知事賞」
・山口県産業技術振興奨励賞「山口県産業技術センター理事長賞」
・かんぽ生命「ラジオ体操優良団体等表彰」

これらの栄誉は、末武工業所の持続可能な製造と従業員の福祉への取り組みを反映している。

透明性とガバナンスへの注力

末武工業所は、事業運営の透明性と信頼性を維持することに注力している。安全衛生委員会の定期開催、ISO準拠の管理体制、厳格な情報セキュリティ方針、強固なコンプライアンス施策を通じ、最高水準のガバナンスを維持している。加えて、顧客やパートナーの意見を積極的に取り入れており、焚火台のデザイン改善もその顕著な例である。

次世代リーダーと起業家へのメッセージ

読者の皆様へ

次世代に伝えたい重要なメッセージがあります。技術は手段であり、目的ではありません。本当の目的は人々を幸せにすることです。安全と健康を最優先にしつつ、挑戦を受け入れ、遊び心を失わないことが重要です。これらの価値観こそが、持続可能な社会を築く道標となります。これが私の使命です。

株式会社 末武工業所
代表取締役社長 金近右太

脱炭素社会における革新の受容

金属・鉱業業界は今後5~10年で大きな変革を迎える。世界が脱炭素社会へ向かう中、AIによるスマートファクトリー化、軽量かつ高強度な新素材の普及、持続可能なサプライチェーン構築が進む。

末武工業所は、高精度・低廃棄設計のさらなる改善に取り組むとともに、デジタル加工データの集積と業界変革のリーダーとしての役割の強化に注力している。

職場安全とメンタルヘルス支援の確保

金近は、社員の前向きな職場環境とワークライフバランスの重要性を重視している。末武工業所は労働権や雇用の安定を重視し、公正な労働条件と労働組合の権利尊重を確保している。これにより、熟練人材を引きつけ、維持できるのである。

社員の福祉を支えるため、ハラスメント防止、メンタルヘルスカウンセリング、医療費補助などの福利厚生を提供している。ハラスメント防止のために、法的相談費用は無料で提供され、社員が経済的負担なく相談できるようになっている。これは、安全で支援的な職場環境を促進し、問題の早期解決に役立つ。

メンタルヘルスケアは年中無休で電話対応可能で、専門の心理カウンセラーによる支援が無償で受けられる。医療費補助制度は入院や高度治療に最大50万円、高度がん治療に最大500万円を補助する。

さらに、月に一度、専門の看護師が訪問して社員一人ひとりに健康アドバイスを行っている。

金近右太の末武工業所での影響:5つのポイント

1. 人を第一に考えるリーダーシップ:特にパンデミックなどの危機の中では、真のリーダーシップは、単なる数字や効率よりも、透明性や信頼、人を優先する姿勢にあると金近は強調する。

2. 伝統と技術の融合:末武工業所の成功は、長年培った職人技とファイバーレーザー加工など先進技術の融合により、ステンレス製造のリーダーシップを維持している点にある。

3. 創造性(遊び心)による革新:会社が率先して「遊び心から生まれる技術革新」を推進し、社員が創造的なアイデアを生み出し、試作品を独創的な完成品に仕上げる文化を育んでいる。

4. 芸術・文化・製造の融合による国際展開:末武工業所は国内需要を超えて、焚火台「循環する光と影の調和」のように、精密金属加工と日本文化を融合させた製品で国際市場にアピールしている。

5. 社員の福祉と安全への強いコミットメント:ワークライフバランスの推進、雇用の安定、メンタルヘルスカウンセリング・ハラスメント対策・手厚い医療費補助などの福利厚生に力を入れている。